2017年9月24日日曜日

研究会を再開します

2016年7月の研究会以降、田中のドイツ滞在のためしばらく開催できていなかったエンボディード・アプローチ研究会ですが、次回の開催予定が決まりました。

2017年11月11日(土)

です。心の科学の基礎論研究会と合同で開催することになりました。エンボディード研としては第6回、心の科学…研としては第81回となります。それにしても、どっちも研究会の名称が長いですね。思わず略してしまいました。
 
時間と場所は過去の開催例に準じて明治大学で13:30〜になると思われます(詳細は決まりしだいご報告します)。講演はいつも2名の方にお願いしていますが、次回は森岡正芳先生(立命館大学)と染谷昌義先生(高千穂大学)にお願いすることになりました。
 
詳細は10月中旬に再度ご連絡します。お楽しみに。

ところで、先日の日本心理学会ではシンポジウムでとても充実した議論を重ねることができました。内容に踏み込んで書く時間が今はないのですが、また追って何か関連記事を書ければと思っています。
 

 

2017年9月11日月曜日

今年の日心

あっという間に9月も中旬ですね。
来週は久留米シティプラザで日本心理学会が予定されています。
今年は、こんな企画でシンポジウムを組んでいます。
 
2017年9月22日(金),11:20-13:00,久留米シティプラザ(会場 4G/スタジオ2)
公募シンポジウム「行為から考える「私たち」」
企画:田中彰吾・片岡雅知,司会:田中彰吾,話題提供:片岡雅知,山本絵里子,高野裕治,高橋英之,指定討論:亀田達也
 
企画の趣旨はこんな感じです。
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人はしばしば「私」ではなく「私たち」という観点に立って行動する。ごく当たり前に集団で協力して行動するし,ときには自分を犠牲にして集団に尽くしたり,逆に同調圧力に負けて周囲に合わせてしまうこともある。そもそも,人は「私たち」の観点にどうやって到達するのだろうか。ひとつの方法は,「心の理論」のような推論能力を通じて互いの心を読み,理解を共有することだろう。だが,そうした能力を持たない子どもや動物も,「私たち」の観点から他者との協力や群れでの行動を遂行しているように見える。こうした「私たち」の観点は,推論以前に直接知覚できるもの,すなわち互いの「行為」にもとづいているのではないか。人や動物は,互いの行為を同期させたり相互に調節したりするなかで「私たち」の観点を獲得しているのではないか。本シンポジウムでは,この基本的なアイデアについて,人,動物,ロボットなどの観点から検討し,「私たち」に迫りたい。
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日心では2013年に「自己」、2015年に「他者感」をテーマにして議論したのですが、今年は「私たち」です。ジョイントアクション(共同行為)に注目すると、ひとは「私」ではなくて「私たち」というレベルで柔軟に行為しています。他者の行為の意図を理解し、それに合わせて自己の行為を調整し、自他で共同のゴールに向かって行為を進め、その過程をモニターし、うまくいかなければもう一度お互いに行為を調整してみる…
 
現象学的に「意識」に着目すると、意識はどこまでも「私」の意識経験でしかないですが、共同行為に着目すると「私たち」という観点にもとづく心的表象はいろいろと成立しているように見えます。加えて、「私たち」という観点が行為のレベルでいちど成立してしまうと、それは他者への期待や、自己の行為への義務のように、ある規範や倫理の次元を作り上げてしまう面もあります。今回のシンポジウムは、いうなれば、社会性へのミニマルなアプローチという意味合いを持つものになると思います。
 
学会に参加予定の皆さまは、ぜひ現地にてお会いしましょう。
 
 

2017年9月3日日曜日

こころの科学とエピステモロジー

このブログでもだいぶ前に紹介しましたが、心の科学の基礎論研究会を母体とする電子ジャーナルが創刊されました。研究会関係者のMLですでに告知が回っていますが、以下に転載しておきます。
 
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日頃、心の科学の基礎論研究会の活動にご賛同いただいて感謝しております。
 
さて、この8月20日、電子ジャーナル『こころの科学とエピステモロジー』誌の「創刊準備号」を発行いたしました。
https://sites.google.com/site/epistemologymindscience/
 
概要は上記サイトをご覧いただきたいと思いますが、ジャーナルの創刊は本研究会創設時からの懸案であり、このほど皆様のお力添えによって実現したことを、大変うれしく思っております。
 
年一回発行予定で、創刊号の原稿締め切りは来年2月頃を予定していますので、「投稿規定」をご覧の上、ご寄稿ご投稿をお考え戴ければ幸いです。
 
また、リーフレットを添付いたしました。御知り合いや関連のMLなどに散布していただき、寄稿・投稿を呼びかけていただければ大変ありがたく存じます。
 
これからもよろしくご指導ご鞭撻の程、お願いします。
 
2017年8月 心の科学の基礎論研究会世話人一同
  
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詳しくは、上記リンクをたどって創刊準備号をご覧ください。田中も編集委員のひとりとして参加しております。

よろしくお願いします。


 

2017年9月1日金曜日

帰国しました

先週開催されていたISTP 2017に合わせてドイツから帰国しました。学会中は座長2件、司会1件、自分の発表4件というなんとも大変な1週間でしたが、議論自体はとても面白くてあっという間に終わってしまいました。自分の発表は萌芽的な内容のものばかりだったので、これから論文になるところまで発展させたいと思っています。

ともあれ、1年間の在外研究もおしまい。これから日本での仕事に戻ります。ひとまず、ご報告まで。